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今回は、建物の外部に**出幅600mm、全長7,280mmの庇(ひさし)**を造作しました。
庇は、雨や強い日差しが建物に直接当たるのを和らげるだけでなく、外観の印象を大きく左右する部分でもあります。
長さが7mを超える庇になるため、全体がまっすぐ通るように寸法や高さを確認しながら、下地から一つひとつ組み上げていきました。
現場に合わせて加工した、庇の下地
今回の庇は、既製品を取り付けるのではなく、建物の形状に合わせて木材を加工し、現場で造作しています。
作業場で必要な部材を加工し、現場では庇の出幅や勾配、下地の位置を確認しながら組み立てました。
完成すると隠れてしまう部分ですが、庇を長くきれいに保つためには、この下地づくりがとても重要です。
一本一本の位置を揃えながら組むことで、全長7,280mmの庇を、すっきりとした一本のラインに仕上げています。
鼻隠しには無垢材を使用
庇の先端部分に取り付ける「鼻隠し」には、無垢材を使用しました。
無垢材ならではの木目や表情が、建物の外観に自然な温かみを加えてくれます。
木は一本ごとに木目や節の位置が異なります。そのため、仕上がったときの見え方を考えながら材料を選び、木目の流れを確認して取り付けています。
ただ取り付けるだけではなく、建物全体を見たときに美しく納まるように考えることも、大工の大切な仕事です。
軒天材を「突き付け」で納めない理由
今回、特にこだわったのが、軒天に使用するケイカル板の納め方です。
一般的に、ケイカル板を破風板や鼻隠し板へ直接突き付けて納める方法もあります。しかし、突き付けだけでは、施工時のわずかな誤差や材料の動きによって、端部に隙間が見えやすくなることがあります。
そこで今回は、破風板と鼻隠し板にあらかじめ**「サクリ」と呼ばれる溝加工**を施しました。
その溝の中へケイカル板を差し込むように納めることで、板の端部が表から見えにくくなり、隙間のない、すっきりとした仕上がりになります。
完成後にはほとんど気づかれない部分ですが、このひと手間が、仕上がりの美しさや納まりの良さにつながります。
完成すると見えなくなるところこそ、丁寧に
建物づくりでは、完成すると隠れてしまう部分がたくさんあります。
今回の庇も、下地の組み方やサクリ加工は、完成後にはほとんど見えなくなります。
しかし、見えなくなるからこそ手を抜かず、数年後も違和感のない仕上がりを目指して施工することが大切だと考えています。
既製品では対応しにくい寸法や形状でも、現場を確認し、木材を加工することで、その建物に合ったものをつくることができます。
新杢創では、住宅のリフォームや修繕、無垢材を使った造作工事、店舗改修など、住まいに関するさまざまなご相談に対応しています。
広川町・八女市・久留米市周辺で、庇の新設や修理、木部の傷みなどが気になる方は、お気軽にご相談ください。

出幅600mm、全長7,280mmの庇を現場に合わせて造作しました。

部材を加工。ケイカル板をきれいに納めるため、木材にサクリを入れていきます。

全長7mを超える庇をしっかり支えられるよう、下地を一本ずつ組み上げました。

完成後には隠れる下地部分も、間隔や通りを確認しながら丁寧に施工します。

鼻隠しには無垢材を使用。自然な木目が外観のアクセントになります。

下地の上に面材を施工し、次の防水・仕上げ工程へ進みます。