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家づくりでは、床や壁、天井など、完成したあとに見える部分へ目が行きがちです。
しかし、住み始めてからの暑さや寒さ、結露、雨音などに大きく関わるのは、完成後には見えなくなる断熱部分です。
今回の現場では、屋根部分にセルロースファイバー断熱材の
**「デコスファイバー」**が施工されています。
写真に写っている灰色の綿のようなものがデコスです。
今回は、垂木の下端から約240mmの厚さで、屋根面にしっかりと充填されています。
デコスとは、新聞紙を再利用した断熱材です
デコスファイバーは、新聞紙などの古紙を再利用して作られた、木質繊維系の断熱材です。
原材料の約80%に新聞紙が使われており、その新聞紙は、もともと木の繊維から作られています。
細かくほぐした繊維が複雑に絡み合い、その中にたくさんの空気を含むことで、熱を伝えにくくする仕組みです。
単に廃材を再利用した材料というだけではなく、
など、住まいの快適性を支えるさまざまな特徴があります。
屋根に240mmの厚さで施工しています
今回の現場では、屋根部分にデコスを約240mm施工しています。
屋根は、夏場に強い日差しを直接受けるため、住宅の中でも特に熱の影響を受けやすい場所です。
夏の昼間に熱くなった屋根から室内へ熱が伝わると、
「2階が暑くて眠れない」
「エアコンをつけてもなかなか冷えない」
「夕方になっても部屋が暑い」
といった原因になることがあります。
そのため、屋根部分に必要な断熱厚を確保し、熱の移動をできるだけ抑えることが大切です。
デコスには熱を蓄え、室内側へ熱が伝わる時間を遅らせる性質もあります。デコスの資料でも、240mm厚で施工した場合の夏場の熱移動について検証されています。
ただし、断熱材は厚ければ厚いほどよいという単純なものではありません。
建物の設計や地域、屋根の形状、通気層、気密、防湿などを含めて、建物全体で考える必要があります。
すき間なく充填できるのがデコスの強み
断熱材は、材料自体の性能だけではなく、どのように施工されているかが非常に重要です。
どれほど高性能な断熱材でも、柱や垂木の周りにすき間ができてしまうと、その部分から熱が逃げたり、外の熱が入ったりします。
デコスドライ工法では、綿状のセルロースファイバーを専用の機械で吹き込みます。
そのため、
にも充填しやすいのが特徴です。
また、水や接着剤を使わず、決められた密度で吹き込むことで、施工後の沈下やすき間の発生を抑えます。
今回の写真は、シートを一部めくって、内部の施工状態を確認したところです。
表面だけではなく、中までしっかりとデコスが詰まっていることが確認できます。
湿気を吸ったり吐いたりする調湿性
デコスの特徴の一つが、木質繊維が持つ吸放湿性です。
室内や壁の中の湿度が高いときには湿気を吸い、乾燥したときには湿気を放出します。
日本は梅雨や夏場の湿度が高く、冬場は暖房によって室内が乾燥しやすい気候です。
そのような湿度の変化を和らげてくれることが、デコスの良さの一つです。
ただし、デコスを入れるだけで結露が完全になくなるわけではありません。
屋根や外壁の通気層、換気、気密、防水、防湿など、住宅全体を正しく設計・施工することが重要です。
雨音や外からの音を和らげる吸音性
セルロースファイバーは、太さや長さの異なる繊維が複雑に絡み合っています。
この繊維の層が音の振動を吸収するため、吸音材としての働きも期待できます。
屋根に施工することで、
などを和らげる効果が期待できます。
断熱材というと、暑さや寒さだけを防ぐ材料と思われがちですが、デコスは音の面でも住まいの快適性を支えてくれます。
新聞紙なのに燃えやすくないの?
「新聞紙からできているなら、火に弱いのでは?」
と心配される方もいると思います。
デコスファイバーには、断熱材として使用できるよう、難燃性などを持たせるための処理が施されています。
デコスの公式資料では、燃焼実験や防火性能、はっ水性能などの確認も行われています。
新聞紙をそのまま壁の中に入れているわけではなく、住宅用断熱材として加工された製品です。
身近な新聞紙を住まいへ再利用
デコスは、役目を終えた新聞紙を回収し、住宅の断熱材として再利用しています。
資源を一度使って捨てるのではなく、別の形で住宅に活かす材料です。
石油を主原料とした断熱材とは異なり、木質繊維を活用していることもデコスの特徴です。
断熱性能だけでなく、環境への負担や、材料が作られる過程まで考えて選べる断熱材の一つです。
完成すると見えなくなる部分こそ大切に
今回ご紹介した断熱材は、工事が進むと天井や壁の中に隠れ、見えなくなります。
しかし、その見えなくなる部分が、住み始めてからの快適さや建物の耐久性に関わります。
新杢創では、見た目の仕上がりだけではなく、
まで、現場で一つずつ確認しながら工事を進めています。
家は、完成したときだけきれいであればよいものではありません。
10年後、20年後も安心して暮らせるように、見えない部分まで丁寧に施工することが大切だと考えています。
広川町、八女市、久留米市、筑後市周辺で、
「夏の2階がとにかく暑い」
「冬になると家の中が寒い」
「結露や湿気が気になる」
「断熱リフォームを検討している」
「地元の大工に家を見てもらいたい」
といったお悩みがありましたら、新杢創へお気軽にご相談ください。
新築・リフォーム・リノベーションから、小さな住まいのお困りごとまで対応しています。