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日別アーカイブ: 2026年7月9日

軒裏に杉板を。無垢材の表情と、屋根の通気まで考えた軒天施工

目透かし杉板の木目が美しく見える軒天仕上げ。軒先換気もきれいに納めています。

銀色の部材が軒先換気です。屋根の中にこもる熱や湿気を逃がすため、見えない部分の空気の流れも考えて施工しています。

杉板を貼る前の軒天部分。ここから一枚ずつ通りを見ながら施工していきます。

無垢の杉板を使うことで、軒裏にも自然な温かみが生まれます。

今日は、軒裏に目透かし杉板を施工しました。
私たち大工は、この軒裏部分のことを「軒天」と呼びます。

最近の住宅では、軒天に杉板を貼る仕上げは少なくなってきました。
一般的な軒天材で仕上げることも多いですが、無垢の杉板を使うと、軒下の雰囲気が大きく変わります。

木目の表情や、自然な温かみ。
ふと軒下を見上げた時に、やわらかく落ち着いた印象を感じられるのは、無垢材ならではの良さです。

今回使用した杉板は、もともと目透かし加工がされた材料です。
ただ、加工済みの板だからといって、そのまま何も考えずに貼ればいいわけではありません。

杉板は無垢材なので、湿気を吸ったり、乾燥したりすることで、わずかに伸び縮みすることがあります。
その動きを考えずに施工してしまうと、後から板が膨らんだり、浮きの原因になることもあります。

そのため今回は、一枚一枚スペーサーを挟みながら、板の通りや隙間を確認して施工しました。
見た目にはすっときれいに納まっているように見えますが、実際には一枚ずつ状態を見ながら進める、とても手間のかかる作業です。

既製の目透かし板を使っていても、最後の仕上がりを左右するのは、現場での大工の知恵と勘、そして手間のかけ方です。
木の性質を理解しているからこそ、先のことまで考えた施工ができます。

また、軒先に見えている銀色の部材は「軒先換気」です。
これは、板金屋根と屋根裏断熱の間にある空気層の熱や湿気を逃がすための部材です。

屋根断熱では、断熱材の外側に空気の通り道を確保することが大切だとされています。
ただ隙間があるだけではなく、空気が入り、流れ、外へ抜けていくことで、屋根まわりの熱や湿気を逃がす役割があります。参考:⁠城東テクノ「屋根通気とは」

今回の施工でも、目に見える杉板の仕上がりだけでなく、屋根の中で空気がきちんと動くことまで考えて納めています。

家づくりは、完成すると見えにくくなる部分にも、たくさんの考え方や工夫が詰まっています。
ただ板を貼るのではなく、木の動き、空気の流れ、仕上がりの美しさまで考えて納める。

そうした小さな積み重ねが、長く安心して暮らせる住まいにつながると考えています。

新杢創では、無垢材の良さを活かしながら、見た目だけでなく、住まいの性能や耐久性まで考えた施工を大切にしています。